SORAコンサート2023
アーティスト紹介
Parking&Sons23日(祝)12:45~13:15
アーティスト紹介

Parking&Sons23日(祝)12:45~13:15

9月23日(祝)12:45~13:15 Parking&Sons出演!

音楽活動にも色々な目的があります。「Parking&Sons」はパーキンソン病を患った一人のとてつもない努力家とその仲間達の物語です。

主人公は岩田誠。

1990年代後半から仲間4人で「CQブルースバンド」を結成。都内ライブハウス、や4月所沢文化フェアでの演奏を常としていました。しかし2018年。CQブルースバンドのステージにおいて岩田誠はこれまでの岩田誠と明らかに違っていたのです。椅子に座りながらの歌とギター。ボーカルのピッチやギターのテンポ・運指が不安定なっていたのでした。

するとMCで岩田は呟いたのです「すぅすぅみぃません。パーキンソン病に罹ってしまい。すぅみぃません。すぅみぃません。」ひたすら謝る岩田誠。

謝らなくていいのに。

パーキンソン病。

難病。脳のドーパミンンが出ない。「うれしいなぁ!」「よーしやるぞ!」「幸せだなぁ!」が湧いてこないのです。身体が思うように動かす事が出来なくなり、人より10倍疲れてしまいます。そんな世界を想像してみてください。

衝撃的なニュースや出来事があると、心が落ち込み病気の状態が悪くなります。「いや、でもがんばろう!」と自ら気持ちを持ち上げたくてもそれが出来なくなってしまいます。そんな自分を想像してみてください。

「Parking&Sons」はそんなパーキンソン病である岩田誠を受けいれて、音楽の力で少しでも本人が元気になったらと集まった人間たちの物語です。

セオリーで話すと音楽は曲によりテンポが決まっています。しかしParking&Sonsはその日に始まった岩田誠のテンポが基準のテンポになります。バンドメンバーはフロントに立つ岩田の出す音やテンポ、本人の様子を察知しながら、その日だけの演奏をするのです。その演奏はまさにライブ。生身の人間そのものです。

その日、その時、その瞬間、出来る事を精一杯やる。どのバンドもそうだと思います。ただ、そこに「生きる」という強いメッセージを持つものはそう多くなないとも感じます。

SORAコンサートの出演が決まり岩田はすごく喜んだのでした。それはもう一つの物語があるからです。

会場の千人テラスはもともと下水処理場でした。そこに勤務していたのが岩田です。

「この場所はもともと下水処理場で、私が20年近く働いた場所でした。閉場まで働いた私の思いでの場所です。」「閉場の一年前に震災がありその時には既に身体の異変がありました。」「今から考えるとその時既にパーキンソン病と付き合いは始まっていました。」「私がパーキンソン病だと分かった時とても不安でした。この先どうなってしまうんだろう?寝たきりになるのか?歩けなくなるのか?」

しかし岩田はこう続けます。

「自分を信じてとにかく可能な限り身体を動かしてみようと思いやり続けてきました。パーキンソン病患者に対する理解のため、また、患者に希望を与え励ますために」同じ病気で苦しむ人に為にも。パーキンソン病の理解を少しでも広めるためにも。そして活き活きと生きるために。

Parking&Sonsはステージに立ち続けます。

当日はもしかしたら途中で演奏が止まってしまうかもしれません。

体調が良く最後までやり切れるかもしれません。

それはその日になってみないと判らないのです。無様な恰好は見せたくないと誰もが思うと思います。でもあるがままを観てもらい、そこからパーキンソン病を知る人が増えてもらえたらいいと考えています。  

■Parking&Sons 

岩田誠 Vo/Gt /伊東昌喜 Key/スズキヤスオ Gt/江口徳 Ba/ラッシー北中 Dr